薬学研究科概要
近年、三重県では、健康・医療・福祉・環境産業の創出と集積を目的とした「みえメディカルバレープロジェクト」を推進しており、これを担う人材、すなわち医薬品、化粧品、高機能食品の開発に貢献できる人材の育成が強く求められています。本薬学研究科は、地域産業の進展に貢献できる人材育成の場であり、薬剤師及び薬剤師の資格を有する専門職業人が仕事を続けながら大学院教育を受けられるという面でも非常に期待されています。
一方、製薬業界では、画期的な新薬の開発である創薬に加え、既存の薬剤をより有効に利用するための新たな剤形の設計・適応拡大などの育薬の方向性が出てきています。すでに医療現場と創薬現場の密接な交流による育薬は成果を上げており、高齢化の進捗に伴い、その重要性は一層増しています。地域産業の進展に繋がると期待される育薬の発展には、臨床現場の経験と医薬品化学の知識に長けた薬剤師研究者の存在が欠かせません。そのため本薬学研究科では、薬剤師研究者を育成し、国の「地域活性化総合特区」指定を受けた三重県の産学官連携プロジェクト「みえライフイノベーション総合特区」により本学に設立された「医薬品開発センター」と共同で創薬・育薬を行っていきます。現在、本学は、医療施設や企業等の研究施設と共同研究を展開しており、将来的には大学病院、市中病院、薬局等、並びに医薬系大学との間でさらなる連携、あるいは「みえメディカルバレープロジェクト」でのさらなる取り組みを進め、活力ある地域づくりと県民の健康、福祉の向上を支える地域拠点になることを目指しています。
高齢化が加速していく現代においては「がん治療」、「認知症治療」などでの質の高い保健と医療が望まれており、高齢者に対する適切な治療や予防を行うための病態解析、薬物治療法の模索など薬学的視点からの新しい医療貢献の創成と実践が必要とされています。
本薬学研究科では、臨床現場でリーダーシップを発揮し、複合的な問題・課題に対して理論的に解決することのできる人材、臨床現場における指導薬剤師として、後進の薬剤師及び学生の指導に当たることのできる優れた人材、高度な専門的知識と技能を有し、薬学の教育・研究に携わることのできる人材、今後開発されてくる新規開発医薬品に対応できる知識と技能を有する人材の養成を目指します。