高齢運転者の増加が進むなか、交通事故における「安全確認の不足」や「視認遅れ」が大きな問題となっており、安全対策の観点から高齢者の視線行動の特性を理解することが重要視されています。
この度、本学リハビリテーション学科・野口佑太助教らは、360°の実写VR(バーチャル・リアリティ)映像と視線計測技術を用いて、教習指導員と高齢運転者の視線行動の違いを明らかにする研究を行いました。研究では、ヘッドマウントディスプレイを用いて実走行を撮影した運転シナリオを呈示し、信号・歩行者・前方車両・サイドミラーなどの関心領域に対する注視時間や注視回数などを解析しました。その結果、高齢運転者は多くの場面で視覚情報への気づきが遅れ、注視時間が短く、周辺への注意が不足していることが明らかになりました。特に右左折や車線変更といった複雑な場面では、サイドミラー確認の遅延や見落としが顕著でした。
これらの成果は、高齢運転者の視線行動の特性をVR環境で安全かつ詳細に評価できることを示すものであり、今後、高齢運転者の安全運転支援、教育プログラムの改善、視線フィードバック訓練の開発に資することが期待されます。
本研究には、本学の野口佑太 助教、鈴鹿中央総合病院・林有佳里 作業療法士、菰野厚生病院・伊藤正敏 作業療法士が参画し、下記の学術雑誌に掲載されました。
Noguchi Y, Hayashi Y, Ito M. Differences in gaze behavior between driving instructors and older adults during viewing of virtual reality driving videos. Traffic Injury Prevention 2025; 26(8): 890–895. https://doi.org/10.1080/15389588.2025.2469102
-副学長(大学院・研究担当)鈴木宏治-






