リハビリテーション学科教員などによる骨格筋の肥大・萎縮に関する研究成果が、Elsevier社のBiochemical and Biophysical Research Communications 誌に掲載されました

2021年02月17日

筋肉はトレーニングにより肥大化して筋力が増強します。逆に不使用(廃用)により萎縮して筋力が低下します。本研究で笹井准教授らは、培養した筋細胞を用いて、筋肉の肥大と萎縮を模倣・再現できることを示すとともに、筋肉の肥大と萎縮のメカニズムの一端を明らかにしました。とくに、筋力トレーニングには適度な休息が必要であることを実験で証明しました。

電気刺激により収縮を繰り返した筋肉細胞内では、タンパク質合成シグナルが増加して細胞が肥大化しました。一方、そのシグナルの増加により、不要タンパク質の分解にはたらくオートファジーが抑制され、細胞内に損傷タンパク質の蓄積がみられました。この損傷タンパク質の蓄積は、細胞機能に有害であると考えられています。さらに、電気刺激を停止すると、オートファジーが回復して損傷タンパク質の蓄積が解消され、電気刺激停止を延長させると、肥大化した筋肉細胞は徐々に萎縮しました。

これらの結果から、肥大化した筋肉細胞の機能を適正に維持するためには、筋肉細胞の収縮を適度に中止(休息)して、筋収縮により細胞内に蓄積する損傷タンパク質を分解させる必要があると考えられました。

本研究は、手術後や傷害後の体力回復、加齢に伴い筋肉量が低下する状態(サルコペニア)、それに伴う心身の虚弱状態(フレイル)の防止に必要とされる筋力トレーニングにおいては、活動を持続するだけでなく、適度な休止が必要であることを科学的に示したものとして高く評価されます。

研究者:保健衛生学部 リハビリテーション学科 准教授 笹井宣昌 他
掲載論文:
Yoshioka K, Sasai N, Kurogi Y et al. Cessation of electrically-induced muscle contraction activates autophagy in cultured myotubes. Biochem Biophys Res Commun. 2020; 533:410-416. doi: 10.1016/j.bbrc.2020.09.009. Epub 2020 Sep 22.

-副学長(大学院・研究担当)鈴木宏治-