4年間の流れ
カリキュラム
イラスト:臨床検査コースのイラストは、臨床検査コース2011年度生の福田智帆さんにより描かれたものです。
基礎分野
臨床検査の専門科目を学ぶためには、化学、生物学などの基礎知識が必須であります。また、医療人として働く臨床検査技師には、知識や技術だけでなく豊かな人間性も求められます。基礎分野では、医療人底力教育(医療人の基礎知識、医療人の技能と資質、医療人の教養と常識、健康科学)、人間と生活(人間と文化と社会、言葉とコミュニケーション)、科学的思考の基盤(自然科学への誘い、自然科学の基礎)に関連する教養・基礎科目を幅広く学ぶことにより、豊かな教養を培うと共に、専門分野への土台となる基礎知識を学習します。
専門分野
臨床検査技師養成課程の規定カリキュラムを基盤にして、人体の構造と機能、医学検査の基礎とその疾病の関連、保健医療福祉と医学検査、医療工学及び情報科学、臨床病態学、形態検査学、生物化学分析検査学、病因・生体防御検査学、生理機能検査学、検査総合管理学、医療栄養学などの臨床専門科目を体系的に学び、さらに、臨地実習や卒業研究を通じて、科学的な思考法や総合的な判断力を養い、臨床検査技師としての応用力を身に付けます。
人体の構造と機能 | 解剖組織学/解剖組織学実習/生化学/生化学実験/免疫学 |
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医学検査の基礎とその疾病との関連 | 病理組織学/臨床検査医学総論/臨床検査医学演習(R-CPC等) |
保健医療福祉と医学検査 | 公衆衛生学/公衆衛生学実習 |
医療工学及び情報科学 | 医用工学/医用工学実習 |
臨床病態学 | 内科学Ⅰ/内科学Ⅱ(産婦人科学・小児科学他)/薬理学(薬物動態を含む) |
形態検査学 | 動物学/動物学実習/血液検査学Ⅰ-Ⅱ/血液検査学実習/病理検査学(細胞診を含む)/病理検査学実習(細胞診を含む) |
生物化学分析検査学 | 機器分析学/機器分析学実習/臨床化学Ⅰ-Ⅱ/臨床化学実習/放射性同位元素検査技術学 |
病因・生体防御検査学 | 微生物学/臨床微生物学/臨床微生物学実習/免疫検査学/免疫検査学実習 |
生理機能検査学 | 生理学/生理学実習/画像生理検査学/生理機能検査学実習/生理機能検査学Ⅰ-Ⅱ/画像解析学(X線・CT・MR等) |
検査総合管理学 | 臨床検査学総論(精度管理を含む)Ⅰ-Ⅱ/臨床検査学総論実習/医療安全管理学/チーム医療Ⅲ/総合臨床検査学演習Ⅰ-Ⅱ |
臨地実習 | 臨床実習 |
医療栄養学 | 食品学/健康食品総論/食品衛生学/栄養学(応用栄養学を含む)/臨床栄養学 |
先端医療学 | 遺伝子検査学/遺伝子検査学実験/再生医療技術学/再生医療技術学実習 |
卒業研究 |
シラバス
カリキュラムマップ
科目紹介
- 臨床化学
- 自覚症状がなくても血液や尿などを調べればその人が糖尿病であるかどうかは簡単にわかります。血液中の微量タンパクの検出でその人が肝臓がんかどうかがわかります。このように人の体液成分は、その人の健康状態を非常に良く反映しています。従って、体液の成分分析をすることでその人の健康状態を素早く把握できます。臨床化学は体内の種々な化学成分を分析して疾患を発見する方法を開発するまだ新しい重要な医学分野の学問分野です。さらには何故その化学成分が増加したり減少したり発生したりするかの機構を追求しますので病気の原因、治療を考える上ではなくてはならない重要な学問ともなっています。このように生体成分を化学的観点から幅広く学ぶ学問です。
- 臨床微生物学
- 私たちの周りには微生物が無数に存在しており、その中にはヒトに感染症と呼ばれる病気を引き起こす病原微生物が含まれます。臨床検査技師が行う微生物検査では、患者さんから得られた検体中の病原微生物を見極め、それを退治するための薬剤を調べます。そのためには単に検査技術だけでは不十分で、病原微生物に関する総合的な知識が必要です。 臨床微生物学では、微生物検査の技術はもとより、病原微生物の性状や病原因子、ヒトに引き起こす症状とその発症メカニズム、診断法、治療法、予防法など幅広く有機的に学びます。
- 血液検査学
- 血液は人体重量の約8%を占め、全身を循環し、酸素や栄養素の運搬、血液と組織間での物質交換、水・電解質調節、酸・塩基平衡、止血など重要な働きをしています。臨床血液学では、血液成分である赤血球・白血球・血小板などの血球系に関すること、止血機構、凝固・線溶機構などを学習し、血液検査学として血球数の算定や血液像の形態学的観察、凝固・線溶検査法などを学習します。また、造血臓器疾患、血小板異常による出血性素因、凝固・線溶因子異常、血管異常などの各種血液疾患と血液検査値の関係を詳細に学習します。
- 生理機能検査学
- 生理機能検査は、生体からの様々な情報を直接記録・解析する検査で、循環生理検査(例:心電図検査)・呼吸生理検査(例:換気機能検査)・神経生理検査(例:脳波検査)・画像検査(例:超音波検査)などの多種多様な項目が含まれており、幅広い知識と技術が求められます。臨床生理検査学では、各検査法の理論や方法のみならず、検査結果と病態の関連についても詳細に学び、病気の診断や治療に必要な情報を的確に提供する能力も養います。