4年間の流れ
1年次: 基礎知識と管理栄養士の心構え
選択科目が多く、幅広い教養や基礎医学を学ぶとともに、専門科目への導入として化学や生物学など理科系の科目を履修します。また、管理栄養士の仕事内容について理解を深め、目的意識を高めるのに医療人底力実践や調理学などを履修します。
【在学生からのメッセージ】
幅広い分野の選択科目の受講が可能で、自分の興味や知識が広がり毎日がとても新鮮です。他学科の先生や新たな友達と接する機会も多く、良い刺激になります。学業以外ではクラブ・サークルに励んだり、アルバイトをするのも楽しいです。様々なことに挑戦し、経験することで将来やりたい仕事を見つけるきっかけができるかもしれません。
2年次: 専門基礎科目と専門分野科目
基礎科目の実験・実習とレポートの作成など、教員との綿密なコンタクトが始まります。また、専門基礎科目(生化学や食品学など)や応用・臨床栄養学、栄養教育論などの専門分野の講義が始まり、医療人としての自覚を深めると共に健康と病気との関わりを学びます。
【在学生からのメッセージ】
いろいろなことが初めてだった1年生に比べ、大学生活にも慣れます。2年生になると栄養に関する講義が増え、実験も始まるのでより楽しく学べ、仲間との関係も深まります。分からないことがあっても、先生が時間を作って丁寧に教えてくれるので安心です。この時期、身に付けた知識は栄養を学ぶ基礎として大切です。
3年次: 本格的な専門分野の学習と臨地実習
健康維持・増進のための栄養教育論を学びます。臨地実習として病院及び社会福祉施設で実習を行い、栄養ケア・マネジメントを学び、管理栄養士としての実地経験を積みます。4年間で最も忙しく充実する1年となりますが、この期間に管理栄養士として社会に貢献する意義を見出す時期でもあります。
【在学生からのメッセージ】
調理する実習が多く、様々な料理を自分で作れるようになります。少人数教育のため、先生の目が行き届いており安心です。実習で作る料理はどれも美味しく感激しました。また実習を通して“仲間と協力することの大切さ”を強く実感しました。先生方はとても熱心で、学んだことは日常生活や社会に出てからも役に立つと思います。
4年次: 卒業研究と国家試験の準備
各自研究テーマを考え、4年間の集大成として卒業研究に取り組みます。保健所での実習もあり、「管理栄養士」の国家試験受験に向けての大切な学習期間です。
【在学生からのメッセージ】
4年次の3大テーマは、卒業研究、国家試験対策、就職活動です。いずれも先生方の親身的な指導の下、自分のやる気次第でどんどん伸びていける環境です。各ゼミの研究テーマはどれも魅力があり、仲間と共に充実した1年を過ごせるでしょう。
カリキュラム
管理栄養の専門科目を学ぶためには、化学、生物学などの基礎知識が必須であり、医療人としては豊かな人間性・人格が求められます。基礎分野では、医療人底力教育(医療人の基礎知識、医療人の技能と資質、医療人の教養と常識、健康科学)、人間と生活(人間と文化と社会、言葉とコミュニケーション)、科学的思考の基盤(自然科学への誘い、自然科学の基礎)に関連する科目の学習から、医療人として必要な教養、見識を養うと共に、専門分野への土台となる基礎知識を身に付けます。
専門分野では管理栄養士養成課程の規定カリキュラムを基盤にして、「医療」に重点を置いた栄養教育を行っています。「社会・環境と健康」「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」「食べ物と健康」などの専門基礎領域を修得し、「応用・臨床栄養学」「栄養教育論」「公衆栄養学」「給食経営管理論」などの専門科目を体系的に学び、さらに臨地実習や卒業研究を通じて、科学的な思考法や総合的な判断力を養い、プロの管理栄養士としての応用力を身に付けます。
社会・環境と健康 | 公衆衛生学Ⅰ-Ⅱ/健康管理学/公衆衛生学実習 |
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人体の構造と機能および疾病の成り立ち | 解剖学/生理学/運動生理学/生化学Ⅰ-Ⅱ/臨床検査医学総論/臨床医学/微生物学/生物有機化学/免疫学/薬理学/化学実験/生物学実験/解剖生理学実習/生化学実験/微生物学実験 |
食べ物と健康 | 食品分析学/食品学総論/食品加工学/食品学各論/調理学/食品衛生学/食料経済学/食品学実験(食品加工学を含む)/調理学実習/応用調理学実習/食品衛生学実習 |
基礎栄養学 | 基礎栄養学/基礎栄養学実習 |
応用栄養学 | 応用栄養学Ⅰ-Ⅲ/応用栄養学実習 |
栄養教育論 | 栄養教育論Ⅰ-Ⅲ/栄養教育論実習 |
臨床栄養学 | 臨床栄養学Ⅰ-Ⅳ/臨床栄養学実習 |
公衆栄養学 | 公衆栄養学Ⅰ-Ⅱ/公衆栄養学実習 |
給食経営管理論 | 給食経営管理論Ⅰ-Ⅱ/給食経営管理論実習 |
総合演習Ⅰ-Ⅱ | |
臨地実習Ⅰ(給食の運営)/臨地実習Ⅱ-Ⅲ | |
チーム医療Ⅲ | |
医療栄養学特別演習 | |
卒業研究 |
シラバス
カリキュラムマップ
科目紹介
- 生化学
- 生化学は生命の基礎を化学的に取り扱い、栄養学や予防医学、生命維持の機構や病気を理解するのに大切な学問です。例えば動脈硬化症や糖尿病の予防において、摂取した栄養素が細胞内でどのような代謝を受けるか、栄養学的な対策を講じることはますます重要となっています。臨床現場でも生化学の知識は至る所で生かされています。例えば、点滴液に含まれている電解質やグルコース、ビタミンなどの栄養素が生体内でどのように代謝され、治療効果を現すのか、理解することは患者さんを治療するときに大切なことです。
- 栄養教育論
- 栄養教育の目的は幅広く、人々の健康維持・増進、疾病の治療・予防、食料の供給の安定、食文化の伝承・創造などを目指します。例えば、人々が生涯に渡って健康で活力ある生活を営むためには、各々の年齢ステージに適する食生活の知識を広め、各人が自発的に食生活の維持管理ができるように援助、教育することが大切です。これらの目的を達成するための実践活動プロセスについて学びます。
- 臨床栄養学
- 臨床栄養学では医療分野における医療倫理、医学の歴史を学び、栄養素の代謝や病気の成り立ちについて学習します。これらの医学的知識を基に、臨床栄養学では疾患別に病態・栄養状態・栄養療法を把握し、栄養ケアプランの作成やその実施・評価等、管理栄養士としての栄養ケアマネジメントを習得します。疾患別の治療食を学び「安心安全でおいしい食事」の提供を目指します。また、術前術後の栄養管理や、嚥下障害の栄養リスクマネジメント、医療や介護施設での医療チームの一員としての役割についても学習します。
- 給食経営管理論
- 本学科は医療の視点から「食と栄養」のスペシャリストを養成する一方で、給食・調理関連科目にも力を入れています。給食経営管理論では給食での安全管理や栄養管理、施設における組織・人事・財務管理などの基礎を学びます。また給食経営管理論実習では実際に調理実習室で50~100食の大量調理と帳票類作成を実践しながら、給食運営の技術と能力を養います。このような実践的な教育を通して医療現場だけでなく給食・調理現場や施設管理のマネジメントにも強い、総合力あるゼネラリストに育成していきます。