慢性疼痛で学ぶチーム医療(実践)体験型合同ワークショップを開催

2025年09月16日

今年度で第9回目となった「慢性疼痛で学ぶチーム医療(実践)」を8月19日(火)から21日(木)の3日間、白子キャンパス1号館で開催しました。本科目は、三重大学医学部医学科、看護学科と合同で実施する集中講義であり、今年度は本学学生39名、三重大学医学部学生13名の計52名が参加しました。この集中講義は2年生が対象であり、1年生の「慢性疼痛で学ぶチーム医療(基礎)」で学修した痛みに関する知識をもとに、大学や専攻を超えて学生同士が協力し、体験型ワークショップを通じて慢性疼痛に対する解決のアプローチを探るものです。

1日目は、三重大学 平山雅浩医学部長の開講挨拶から始まり、痛みの考え方についての講義、また「チームについて」のグループワークを通じて初対面のグループメンバーが打ち解けました。続いて、神経ブロック、筋ロコモ、鍼灸、ペインビジョン、筋弛緩、アロマテラピーの各種体験では、各担当教員の工夫を凝らしたブースにおいて、楽しみながら貴重な医療体験をすることができました。

2日目は、社会福祉士や管理栄養士の医療職に関する講義、また脊椎と脊髄の解剖学講義を受講し、慢性疼痛の観点でそれぞれ知識を養いました。座学の他には、理学療法のストレッチ、3日目の事例検討に向けた積み上げ型のグループワークを行いました。グループワークでは教員がサブファシリテーターを務め、進行のサポートだけではなく教員もグループメンバーの一員として議論に加わるなど、アットホームな雰囲気で進みました。2日目の最後は、過去にワークショップに参加した先輩たちによる「学生サポーター交流会」が催され、大学や専攻を超えた有意義な学生交流の場となりました。

最終日である3日目は、痛みに悩む患者さんとその家族の対応について、ロールプレイを通してグループごとで対応策を導き出す事例検討が行われました。これまでの各種体験や様々な講義、グループワークで培った内容を結集させ、各グループメンバーが現在専攻している医療職に扮し、模擬患者と家族の悩みや訴え、病状、心理状態から解決策を懇切かつ臨機応変に演じていました。また、各専攻の教員による13職種の専門職アドバイザーを設け、職種の紹介と学生からの質問に対して丁寧な回答がなされていました。

閉講挨拶では,本学の豊田長康学長から、この3日間の貴重な経験と仲間を大切にし、今後の学業と就職後の臨床現場でもぜひ活かしてもらいたい、と挨拶がありました。3日間を通して、受講学生からは満足度の高い意見が多く、昨年度から準備とプログラム内容の吟味を繰り返してきた教職員側も嬉しい限りです。医療系大学ならではの貴重な体験型ワークショップは来年度も開催予定です。多角的な視点を養いたい、横のつながりを広げたい、と考えている熱意ある学生の皆さん、ご参加をお待ちしています。

-「慢性疼痛で学ぶチーム医療(実践)」科目代表 放射線技術科学科 助教 荒井信行-