医用情報工学科長 挨拶

学科長からのメッセージ

医用情報工学科 学科長 鶴岡 信治
医用情報工学科 学科長 鶴岡 信治

あなたは、医療健康分野でデータサイエンスを使用し、イノベーションを体験しませんか?
   医療は「根拠データ(エビデンス)に基づいた医療(Evidence Based Medicine; EBM)」が浸透しています。これは、「個々の患者さんの診療において、最近までの研究から得られたデータの中から信頼できる診断結果や治療方法を数値データとともに患者さんに提示し、患者さんの今後の生活や考えを伺い、相互に理解した上で診療する」という考え方です。
   EBMを実施するには、まず大量の診断・診療データ(ビッグデータ)が必要で、すでに検査データがデジタル化され、電子カルテに蓄積されています。しかし、多くの医師・看護師は多忙でデータ解析の時間がなく、EBMを実施するためには統計解析や人工知能(AI)のスキルを持ったエンジニアが必要です。このような医療をサポートするエンジニアは医療系データサイエンティストと呼ばれており、欧米では大活躍しています。
   しかし、経済産業省の調査(IT人材需給に関する調査2019年)では、2030年時点で先端IT人材であるデータサイエンティストは54.5万人不足すると予測されています。そのため、日本でもデータサイエンスを教育する大学が増えましたが、医療系データサイエンティストを育成する大学がありませんでした。
   本学科は、医用情報工学科を改組し、医療系データサイエンティストを育成するために開設されました。授業では実データを使用し、プログラミング・人工知能(AI)などの情報技術、統計学などのデータ分析方法、医療健康データの管理・マネジメント方法、医療情報システム(IoTを含む)を学習し、卒業研究では知識を利活用することの楽しさを体験します。卒業後は従来からの医療系事務職(診療情報管理士、医療情報技師)、企業に加え、地方自治体での活躍も考慮し、イノベーションを牽引する人材を育成するための新カリキュラムを構築しました。
   コンピュータに関心があり、ITにより多くの人々を幸せにすることを目指し、イノベーションを起こす人材を育成したいと考えております。