3月14日(金)白子キャンパス講堂にて令和6年度学位授与式を挙行し、大学院生10名・学部605名の計615名が学び舎を巣立ちました。式典では各学科・専攻の代表者が学位記を受け取り、理事長表彰、学長表彰、そして社会貢献活動功労優秀賞の授与が行われました。ご来賓の末松則子鈴鹿市長からは温かい祝辞を賜りました。
豊田長康学長は、「ご卒業おめでとうございます。皆さんは学生時代に未曾有のコロナ禍という困難な時期を経験されましたが、それを乗り越え人生の一つの大きな関門を無事に通過されたことに、心から敬意を表します。今、世界は様々な課題に直面しています。予測困難なVUCA※の時代だからこそ、ポジティブに世の中を捉え、夢を信じて挑戦し続けることが大切だと考えています。日本初の4年制医療系大学として本学を設立した中村實初代理事長や、ユーグレナ(ミドリムシ)に着眼して貧困・栄養失調・環境汚染に立ち向かった出雲充さんが成し遂げたような、大きな夢を実現することは自分には難しいと思われる方もいるかもしれません。しかし、小さなことからでも全く構いません。目の前の患者さんに、少しでもより良い医療や福祉を提供すること、それが『科学技術の進歩を真に、人類の福祉と健康の向上に役立たせる』という本学の建学の精神に繋がります。『夢は現実になる。昨日不可能だったことを、今日可能にする』。今日、皆さんが社会に旅立たれるこの瞬間から、それぞれの夢に向かって一歩一歩進んでいってください」と、式辞を述べました。
髙木純一理事長は、「ご卒業、心よりお祝いを申し上げます。学長の式辞のとおり、これから夢の実現に向けて歩んでいただきたいと思います。しかし、人口減少・超高齢化が急速に進み、日本の将来は決して明るいものではありません。学部卒業生の皆さんが産まれた時点の出生数は115万人でしたが、今年は恐らく70万人を割ると言われています。50年後の総人口は7千万人、出生数は5~6万人、3人に1人以上が高齢者となります。100年後には日本は消滅するとイーロンマスク氏は予測しましたが、日本の為政者は『見たくない未来』に目を瞑っているとしか思えません。今後日本では縮小・統合・撤退という言葉が飛び交うようになりますが、世界に目を向けると現在82億人が地球上に暮らしていて、33年後には100億人を突破すると言われています。グローバルに物事を捉えれば、人口増加に従って世界は成長していくということです。高度な知識と技術を身につけた医療・福祉のスペシャリストである皆さんは、決して未来を恐れることはありません。世界に目を向ければ、知識を役立てられる活躍の場が拡がっています。これから皆さんが就職したそれぞれの分野で大いに活躍され、社会にそして世界に貢献できる人材になられることを祈念致します」と、祝辞を贈りました。
保健衛生学部 放射線技術科学科3年の吉田羽須妃さんが「社会の一員として新たな出発を迎える皆様は、これからの時代の移り変わりや社会の変化に応じて、状況に適した考えを持つこと、行動していくことが求められると思います。今後新たな夢や目標の実現に向かうときには、どのような状況においてもこれまで培ってきた自分自身の力を信じ、最後まで諦めない姿勢を大切にして未来を切り拓いていってください」との送辞を述べました。
薬学部 薬学科の尾﨑海斗さんが卒業生を代表し、「大学生活では、同じ夢を追う学友との出会いがあり、互いに信頼、尊敬しあい、共に切磋琢磨し、幾つもの試験を共に乗り越えてきました。私たちが本学で得た知識、技能、経験は、私たちをさらに前進させる大きな糧となり、これから医療人として社会に貢献する者、研究や勉学に邁進する者など、卒業生一人ひとりがそれぞれの理想を実現させるために、それぞれの道を歩んでまいります」と、友人・家族・教職員への謝辞を述べました。
※VUCAとは、Volatility(変動制)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉です。