3月1日(土)千代崎キャンパスにて、本学主催・鈴鹿市後援による市民公開講座「災害関連死ゼロを目指した避難生活体験研修 ~基礎編~」を開催しました。当日は小春日和で、市民の皆さまと学生・教職員合わせて約100名にご参加いただきました。
幼児から高齢者まで様々な年代の参加者が、10班に分かれて座学と体育館での体験型研修を行いました。教室でのグループワークの後、体育館へ移動し、各グループが2種類の段ボールベッドを組み立てました。慣れない作業に四苦八苦しながら、段ボールベッドが完成すると寝心地や安定感などを確かめていました。参加者からは「しっかりしていてとても良いと思った」「あまり硬さは感じられず腰や背中にそれほど負担はかからない」「プライバシーが保てない」などの感想が聞かれました。
体験後の講義では、リハビリテーション学科 理学療法学専攻の齋藤恒一助教が「能登半島地震では段ボールベッドが避難所に届くまで約3週間かかった。避難所の開設初動期は行政の手が回らず誰も来ないので、避難者の自治により避難所を運営しなければならない。TKB(トイレ・キッチン・ベッド)の整備と地域住民のつながりが大切」と説明しました。また、看護学科の服部由佳准教授が「避難所生活では高齢者・障がい者・乳幼児など要配慮者への支援が必要になる。熊本地震では直接死の4倍以上の災害関連による死者がでた。東日本大震災では災害関連死のうち9割が66歳以上の高齢者。避難所生活において高齢者に起こりやすい問題と支援方法を考えておくことが重要」と解説しました。
平時から地域の皆さまと大学との継続的なつながりが、災害に強いまちづくりには大切です。今回の市民公開講座をとおして、地域の皆さまと学生・教職員が連携し、地域防災力がより高められる機会になったことと思います。今後も避難生活体験の研修会を定期的に開催する予定ですので、是非ご参加ください。
-リハビリテーション学科 理学療法学専攻・看護学科-