第17回薬学セミナーを開催しました

2023年05月11日

4月20日(木)の第17回薬学セミナーでは、及川弘崇 助教(本学、題:低アルカリフォスファターゼ症モデルマウスの重症度の違い)、およびMartin Sojka 博士(バルセロナ大学、題:From Coordination Chemistry to Drug Delivery)にご講演いただきました。

及川先生からは、低アルカリフォスファターゼ症(HPP)に関する研究について、ご報告いただきました。及川先生らは、遺伝子変異による組織非特異的アルカリホスファスターゼ(TNSALP)の欠乏で惹起されるHPPの表現型には違いや程度の差があり、それによって酵素補充療法の有効性に差が生じることに着目されました。及川先生らの実験で使用した非近交系のHPPモデルマウスにおいても、同一遺伝子型変異判定の同腹仔間で、表現型の重症度に違いがあることが確認されました。本発表では、その重症度を比較した結果について、詳細に報告していただきました。

Sojka 博士はチェコ共和国出身のポストドクターで、ルテニウム錯体をがん治療薬として応用するための研究を遂行されています。抗腫瘍効果が期待されるルテニウム錯体を腫瘍組織内で集積・作用させる目的で、シクロデキストリン等の包摂化合物、生体高分子およびナノ粒子との複合体形成を試みられています。本発表では、それぞれの複合体の調製法およびSojka 博士らが提案する薬物送達術について報告していただきました。

詳細につきましては、添付の講演要旨やスライドをご参照ください。

-薬学部 薬学科 教授 米田誠治-

■薬学科 及川弘崇 助教
薬学セミナー要旨
スライド

■バルセロナ大学 Martin Sojka 博士
薬学セミナー要旨
スライド