薬学科教員などによる「連翹(レンギョウ)」に関する研究成果をまとめた総説がMolecules誌に掲載されました

「レンギョウ（Forsythia suspensa Vahl）」は大気汚染や病害虫に強いことから、庭木や公園の垣根に使われているモクセイ科の植物で、生薬・レンギョウの果実は風邪やインフルエンザ、アレルギーなどの漢方薬の素材に用いられています。果実には、抗菌・消炎作用を示すフェネチルアルコール配糖体や、肝臓での脂質代謝を改善し肥満を抑制するポリフェノールが含まれ、最近、ポリフェノールの一つphillyrinにはサイクリックAMPホスホジエステラーゼ4（PDE4）阻害作用のあることが解りました。

一方、本学薬学科の藤川隆彦教授らは、レンギョウの葉について研究を行い、葉にはポリフェノール（pinoresinol β-D-glucoside, phillyrin, forsythiasideなど）が果実よりも多く含まれ、また植物性エストロゲン様物質が含まれていることを示し、健康食品素材として葉の有用性を提示しました。さらに、レンギョウの葉に含まれるポリフェノールには、肥満・アトピー性皮膚炎・A型インフルエンザウイルス感染に対する予防効果のあることを明らかにしました。

この度、藤川教授らは、これまでの研究成果をまとめ総説として報告し、2021年4月14日付けのMolecules (Review) 2021; 26, 2362.に掲載されました。

本研究には、北海道医療大学薬学部・西部三省名誉教授、名古屋学院大学スポーツ健康学部・斎藤久美子准教授及び酒井淳一教授、本学薬学科・藤川隆彦教授が参画しました。

掲載論文：
The Biological Effects of Forsythia Leaves Containing the Cyclic AMP Phosphodiesterase 4 Inhibitor Phillyrin. Molecules (Review) 2021, 26, 2362.
https://doi.org/10.3390/molecules26082362
Sansei Nishibe 1,*, Kumiko Mitsui-Saitoh 2 , Junichi Sakai 2 and Takahiko Fujikawa 3,*
* Correspondence: nishibe@hoku-iryo-u.ac.jp (S.N.); fujikawa@suzuka-u.ac.jp (T.F.);

－副学長（大学院・研究担当）鈴木宏治－