薬学部長が2021年度日本薬学会・第44回佐藤記念国内賞を受賞しました

2021年03月29日

この度、本学の大井一弥 薬学部長による「ヒト皮膚における乾燥皮膚発現要因と治療法に関する研究」に対して、2021年度日本薬学会・第44回佐藤記念国内賞が授与されました。

佐藤記念賞は、往年米国NIHで活躍され、多くの日本人医薬化学者に対して指導的役割を果たしてこられた日系米国人の佐藤芳夫博士(1911年生)を称え、我が国の薬学研究の奨励と日米研究者の交流促進を目的に設立された佐藤記念基金が行っている授賞です。佐藤記念賞には、隔年に米国の医薬化学者に授与される国際賞と、毎年我が国の薬学研究者に授与される国内賞があります。日本薬学会では学会員の中から、主に我が国の医療現場で行われたヒトを対象とする臨床・疫学研究などにおいて優れた業績をあげ、医療の発展に貢献している薬剤師・臨床薬学研究者に本賞を授与しています。

大井薬学部長は、様々な皮膚疾患の原因となる乾燥皮膚の発生要因の解明と治療法を開発するため、長年にわたり透析患者や高齢患者を対象として5つの医療機関と共同研究を行ってきました。その結果、乾燥皮膚は、加齢や湿度低下などの影響だけでなく、様々な疾患由来の生化学的因子および微量元素などの変動によることを明らかにしました。本研究成果は、基礎研究を織り交ぜながら皮膚薬科学に特化した臨床研究を自ら開拓し継続した賜物であり、今後の薬剤師研究者に多くの示唆を与えるものであります。

この度の大井薬学部長の受賞は、本学の臨床薬学研究のレベルの高さを国内外に示すものであり、引き続き本学の教員や卒業生、在校生の中から後に続く優れた臨床薬学研究者が輩出されることを願っています。

-副学長(大学院・研究担当)鈴木宏治-