看護学部看護学科公衆衛生看護学の宮田瑠里子助教の論文「喫煙者が加熱式タバコを『タバコを吸い続けるための逃げ道』とするプロセス」が、日本看護研究学会において2024年度奨励賞を受賞しました。本学会の目的は、広く看護学の研究者を組織し、看護学の教育、研究および進歩発展に寄与することであり、学会事業の1つである奨励賞の対象に宮田助教の論文が選ばれました。
本研究は、近年、使用者が増加している加熱式タバコに着目し、紙巻きタバコから移行する過程での喫煙行動の変化を調査しました。従来の紙巻きタバコにおいては、臭いや周囲からの厳しい態度が禁煙を促す要因となっていましたが、加熱式タバコでは「臭いが少ない」「周囲に受け入れられやすい」などの理由から、喫煙者がタバコにのめりこむようになることや、そのプロセスとはどのようなものかを明らかにしました。本研究の特徴は、喫煙者が加熱式タバコを選択する理由として「健康リスクの低減」というよりも、対人関係や社会的要因に強く影響されていることを実証した点であり、今後の喫煙者への指導・支援への有用な示唆が得られました。
この受賞を励みに宮田助教の今後の研究がさらに発展することを期待し、看護学科教員一同お祝い申し上げます。
―看護学部長 倉田 節子―