看護学部看護学科基礎看護学の中村美起准教授が第18回日本看護倫理学会学術集会において、「看護管理者とスタッフ看護師の倫理的な判断や看護ケアに影響する要因の実態」の演題で発表を行い、参加者の投票により、ポスター最優秀演題賞を受賞しました。
本学会は、地球環境の変化、科学技術や情報技術の進化、諸処の制約の増加などの歴史的流れの中で、現実的・予期的に向き合うべき課題について、看護倫理の知を体系的に構築することを目的として設立されています。
本研究は、看護管理者とスタッフ看護師を2群に分けて実施したインタビューの分析結果を纏めたものです。2群間の倫理的な判断や看護ケアへの影響要因は概ね類似するものでしたが、管理者には医師からの負の影響が強く、スタッフ看護師には多忙な業務や責任回避が負の影響を多く与えていました。加えて、スタッフ看護は上司からの倫理的サポートを望んでいても受けられない状況が存在し、倫理的な問題について話し合える環境が整備されていることが、倫理的な判断や看護ケアに正の影響をもたらすことにつながるという示唆が得られ、この提言が大きく評価されました。
この受賞を励みに中村美起准教授の今後の研究がさらに発展することを期待し、看護学科教員一同お祝い申し上げます。
―看護学部長 倉田 節子―