日本薬学会第145年会において、本学大学院薬学研究科の院生2名が発表した演題が学生優秀発表賞を受賞しました

2025年05月16日

令和7年3月26日(水)~29日(土)に福岡市で開催された日本薬学会第145年会において、本学大学院薬学研究科の大井勇秀院生(D4)と山田拓磨院生(D4)がともに学生優秀発表賞を受賞しました。

大井勇秀院生は「ビタミンB6を用いた毒性終末糖化産物(TAGE)起因性神経軸索変性抑制の機序解明」についてポスター発表を行いました。これまでに郡山教授らは、グリセルアルデヒド由来のadvanced glycation end product (AGE)は、他の糖質由来のAGEと比べて強い中枢神経障害(毒性)作用を示すことを発見し、toxic AGE(TAGE)と呼ばれています。今回、大井院生らはTAGEにより生じる神経軸索変性が、アルツハイマー病でみられる病理変化と類似することを示し、その抑制の可能性について考察し、高い評価を頂きました。本研究には、薬学科の古川絢子助教、郡山恵樹教授(指導教員)が共同研究者として参画しました。

山田拓磨院生は「一本鎖DNA液滴を高効率に形成するカチオン性白金(II)二核錯体」について、物理系薬学分野のセッションで口頭発表を行いました。これまで米田教授、田代准教授らは、一本鎖DNA溶液にカチオン性白金二核錯体を加えると液―液相分離が起こり、DNA液滴が形成されることを発見してきました。今回、山田院生は、一本鎖DNAの塩基配列によって液滴の形成効率が変化し、その原因が白金錯体とそれぞれの塩基の結合様式の違いにあることを明らかにしました。発表内容と質疑応答態度の両面で高い評価を頂きました。本研究には、薬学科の植村雅子助教、田代竜准教授、米田誠治教授(指導教員)が共同研究者として参画しました。

両院生の益々の活躍に期待します。

-副学長(大学院・研究担当)鈴木宏治-