国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の国際青少年サイエンス交流事業「さくら招へいプログラム」は、産学官の緊密な連携により、海外の優秀な青少年を日本へ招へいし、日本の青少年との科学技術分野の交流や文化に触れていただく事業です。さくら招へいプログラム全体では、過去10年間でおよそ40,000人が世界 83 か国・地域から招へいされています。
中国の天津中医薬大学は 50 年以上の歴史を持つ医療系の公立大学で、医学、理学、文学、管理の4学科や中医学、鍼灸推拿学、中西医臨床医学、中薬学、看護学の専攻学科の他に国家重点学科が置かれています。
本学は1991年の開学以来、天津中医薬大学と親密な関係を築いており、特に歴代学長と公私にわたって親交を深めてきました。1998 年に海外友好大学協力協定を締結し、今日に至るまで、天津中医薬大学の若手教員が本学へ派遣され東洋医学研究所で共同研究や学術交流を行ったり、修士・博士課程の大学院生の相互派遣を実施してきました。
本事業により1月14日(火)~23日(木)の10日間、天津中医薬大学から8名(教員2名・大学院生4名・学部生2名)を本学へ招へいしました。滞在中は、東洋医学研究所にて鍼灸に関する共同研究課題の実施、本学教員による講演、附属施設の見学など充実した内容となりました。また、華道草月流の基礎を学んでの生け花や、手巻き寿司作りなど体験し楽しい時間を過ごしていただきました。9日目には研究成果のまとめと修了式に臨み、全ての行程を締めくくりました。
共同研究と医療科学技術文化の交流を通じて、日中双方で国際的な視野を持つ若い研究者の育成強化を図ることができたと感じています。また、多くの研究者の学術交流と共同研究によって、中国医学の研究成果の転化を促進し、同時に日本の伝統文化に触れてもらうこともできました。今回の取り組みにより双方の絆が深化し、今後の共同研究がますます活発に発展することを期待しています。
1日目 | 1月14日 | 中部国際空港着 オリエンテーション |
2日目 | 1月15日 | 説明会 共同研究課題の実験準備と実施① ウエルカムパーティー |
3日目 | 1月16日 | 午前:日本の鍼灸事情についての講演会(鍼灸サイエンス学科) 午後:施設見学(薬学部・附属桜の森病院・桜の森白子ホーム) |
4日目 | 1月17日 | 共同研究課題に関する実施② |
5日目 | 1月18日 | 休日 |
6日目 | 1月19日 | 日本の科学と文化を体験(名古屋市科学館・名古屋城) |
7日目 | 1月20日 | 共同研究課題に関する実施③ 華道体験 |
8日目 | 1月21日 | 共同研究課題に関する実施④ 大学学部の見学(放射線技術科学科) 日本料理の体験 |
9日目 | 1月22日 | 午前:研究結果のまとめ 午後:修了証交付式 |
10日目 | 1月23日 | 中部国際空港発 帰国 |
-東洋医学研究所長 有馬 寧-