本学大学院薬学研究科院生が第33回金属の関与する生体関連反応シンポジウムにおいて講演賞を受賞しました

2024年06月26日

令和6年6月7日(金)、8日(土)に岡山大学で開催された第33回金属の関与する生体関連反応シンポジウム (SRM2024)において、本学大学院薬学研究科の山田拓磨 院生が「演題:カチオン性白金(II)二核錯体のDNA液滴形成能と核酸結合様式に関する研究」について口頭発表を行い、講演賞を受賞しました。

細胞内には数多くの生体分子が存在しますが、生命活動の維持に重要な分子間反応は互いに干渉することなく適切なタイミングで進行しています。それらの分子間反応の場としては、生体分子の液―液相分離(*)により生じる「液滴」が知られています。この生体分子による液滴形成は生命活動の維持に不可欠であり、液滴を人工的に引き起こす化合物の探索は、生命の起源に関する研究や人工細胞の作成を試みる研究分野において、非常に重要であると考えられています。

最近、本学の米田誠治教授らによって分子設計されたアゾラト架橋白金二核錯体は、高いDNA液滴形成能を有することが明らかになり、その詳細な分子機序が解析されてきました。今回のシンポジウムでは、白金錯体と様々な配列のDNAによる液滴形成、白金錯体と核酸モノマーとの結合様式などの研究成果が発表され、高い評価をいただきました。

本研究には共同研究者として、薬学科の田代竜 准教授、植村雅子 助教、米田誠治 教授(指導教員)が参画しました。

(*)液―液相分離の例としては、サラダドレッシングが水相と油相に分かれる状態がありますが、細胞内で見られる生体分子の液―液相分離では、濃度の異なる2種類の「水溶液」が混じり合わずに2相に分離する現象を指します。

-副学長(大学院・研究担当)鈴木 宏治-