本学教員による終末糖化産物 (advanced glycation end-products, AGEs) と生活習慣病に関する研究成果が、MDPI社のBiomolecules誌に掲載されました。

2021年04月15日

私たちの体の中では糖がタンパク質に結合することによって様々な終末糖化産物(advanced glycation end-products:AGEs)が生成されています。糖の一種のグリセルアルデヒドから生成されるグリセル-AGEsは、他の糖により生成されるAGEsと異なり、非常に強い細胞障害特性を示すことから「Toxic-AGEs (TAGE) 」と命名されています。TAGEは、心血管病、非アルコール性脂肪肝炎、がん、不妊症、アルツハイマー病などの多様な疾患の発症に関わっていることが示唆されています。

この度、本学薬学研究科/薬学部の郡山恵樹教授と古川絢子助教は、金沢医科大学、名古屋市立大学、広島国際大学の教員と共同で、これまでに各大学の研究グループが臓器・疾患別ユニットを形成し実施してきた研究成果をまとめて総説論文として表記雑誌に発表しました。郡山教授たちは、特にTAGEによるアルツハイマー病発症機序に関する研究成果を分担・執筆されました。

TAGEは生活習慣病の予防、早期診断に役立つバイオマーカーとしても利用できる可能性があり、TAGEに関連する疾患の発症機序を知ることは疾病予防や健康寿命の延伸に大きく寄与するものと期待されます。

掲載論文:
Takeuchi M, Sakasai-Sakai A, Takata T, Takino JI, Koriyama Y, Kikuchi C, Furukawa A, Nagamine K, Hori T and Matsunaga T. Intracellular Toxic AGEs (TAGE) Triggers Numerous Types of Cell Damage. (2020) Biomolecules 11:387. doi: 10.3390/biom11030387.

-副学長(大学院・研究担当)鈴木宏治-