専門分野

放射線情報学分野

医療画像応用の分野は一般撮影、消化管造影、血管造影、CT、MRI、核医学、超音波等、各種のモダリティがそれぞれに飛躍的な進歩を続けています。高度X線画像システムの技術的発展動向から、医用機器の法・規格の国際的動向にも関心を払い、真に診療に役立つ次世代の医療システムを洞察します。特に脳・心血管等循環器系の疾病診断領域は機器ハード及びソフト面の多様な変貌を見て、その全容を理解するには放射線生物学・物理学から再生医学、画像情報学分野まで学際的アプローチが必要とされています。日常診療で疾病の診断に必須な位置づけである医用画像、特に放射線情報学分野では広い知識と柔軟な思考の涵養を図るべく多彩なカリキュラムを用意しています。

医療栄養学分野

近年、管理栄養士が参画する栄養サポートチーム(NST)による適切な栄養管理により病院での治療効果が大きく上がっており、治療医学における栄養の重要性が示されつつあります。一方、21世紀の医療は治療から予防へと大きくシフトしており、病気にしないための栄養管理の重要性も再認識されつつあります。本分野では、栄養学を基礎とし、栄養素の疾病回復や進行の抑制に及ぼす効果や健康維持・増進のための重要性の解明など、疾病治療や健康維持・増進に向けた新たな手法の開発を目指します。栄養学、分析化学、生化学、微生物学、免疫学、有機化学、運動生理学、分子生物学、臨床検査学と様々な専門分野の研究者が集い、力を合わせて研究を行うと同時に、栄養学的立場から疾病の治療や予防に貢献できる人材を育てます。本分野を主分野とする学生は、本分野の講義を受け、より高度な専門知識を得て、他分野の講義を受け、幅広い知識を養います。さらに研究指導教員のテーマの下、輪講や特別研究を通して、修士課程では高度な技術やデータ分析力や考察力、そして議論をするために必要な表現力や会話力を体系的に養います。博士後期課程では、研究者・専門家としての自立を目指し、問題点を見極め、その解決のための計画を立案・推進し、その成果を研究論文として国際誌に公表するための実践技術と能力を養います。

臨床検査学分野

近年、医療は急速に進歩し、また、科学的根拠(エビデンス)に基づいた 診断・治療がより求められる上に、予防医学の重要性も高まり、より広く、より高度な臨床検査技術の必要性が増しています。また、医学・医療人には知識や技術だけでなく、豊かな人間性や深い教養、他分野と協調できる社会性、および医療人としての倫理性も求められます。臨床検査分野では、高度な臨床検査技術の修得、疾病の原因や病態の解明、疾病治療や健康維持・増進に向けた新たな検査手法の開発を目指します。臨床血液学、生体試料分析学、分子細胞生物学、病理組織細胞学を中心に、生化学、免疫学、生理学、微生物学、栄養学、食品学、有機化学など様々な専門分野の研究者と集い力を合わせて研究を行うと同時に、医療機関だけでなく、研究、教育、医療関連企業、生命科学情報分野等で活躍出来る人材の育成を目指しています。本分野を主分野とする学生は、本分野の講義を受けより高度な専門知識を修得し、他分野の講義も受け幅広い知識を養います。さらに研究指導教員のテーマの下、輪講や特別研究を通して、修士課程では、情報を収集してまとめる技術、高度な実験・検査技術、データの分析力や考察力、そして議論をするために必要な表現力や会話力を体系的に養います。博士後期課程では、研究者・専門家としての自立を目指し、問題点を見極め、その解決のための計画を立案・推進し、その成果を研究論文として国際的に公表するための実践技術と能力を養います。そして、両課程を通じて医学・医療人として、社会人としての素養を磨きます。

鈴鹿医療科学大学大学院 医療科学研究科 医療科学専攻 臨床検査学分野に「細胞検査士資格取得コース」を2020年4月に開設。

鈴鹿医療科学大学大学院では、中部地区の大学院として初の「細胞検査士資格取得コース」を2020年4月に開設しました。

本学は「めざす資格を確実に取得する」ことを目標に、学部では臨床検査技師国家資格、大学院では細胞検査士認定資格の取得に必要なカリキュラムを展開します。
大学院では、細胞検査士に必要な高度専門教育である細胞診断学特論並びに細胞診断学実習、さらには提携先病院での病理・細胞診臨床実習等を行います。
本学は、堅実な教育方針に基づいて、学生の夢を、一歩一歩、着実に実現できるよう丁寧に支援します。

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理学療法学分野

修士課程(1年次)
これから臨床で行う研究テーマについて、徹底した調査、レビューを行います。臨床研究の基本はレビューですので、半年以上かけて文章推敲能力もブラッシュアップします。完成したレビュー論文が修士論文の序論となります。文献レビューと同時進行で、臨床での計測技術を習得します。例えば、モーションキャプチャ、筋電計、足圧分布計等を使用します。学内で卒研生と協力し、健常者で計測のトレーニングを行います。

修士課程(2年次)
臨床で自らの患者さんを対象に計測、分析を行います。結果は専門分野の学会で発表します。学会発表の準備作業を通じて、考察、プレゼンテーション能力のトレーニングを行います。

博士後期課程
修士課程での研究成果に基づき、観察研究、介入研究を進めます。さらに研究論文執筆のトレーニングを行います。

作業療法学分野

修士・博士課程での講義を履修することで作業療法およびその周辺の専門的知識を身につけ、同時に研究の手法を修得することができます。作業療法士の専門教員の指導により、研究テーマを決定し、研究方法、臨床現場や研究室における実践、得られたデータは統計解析を用いて結果を導き出します。その結果は先行研究により吟味され、臨床現場における作業療法に応用、発展されます。まとめた論文を学内にて報告し、他の分野の専門職の教員の意見などをもとに本論文へと仕上げていきます。修士課程では、論文はそれぞれの専門領域の学会で報告するようにします。博士課程では仕上げた論文をそれぞれの専門ジャーナルへ投稿し、掲載します。本分野は、作業療法学専攻の卒業生やリハビリテーション分野で働いている作業療法士に適しています。加えて、専門学校を卒業し、臨床で働いている方のキャリアアップとして利用していただけると思います。本課程の修了後は、大学の教員、研究所の研究者など、また病院における管理者や研究の指導ができる作業療法士としての道も開けていくと考えます。

医療福祉学分野

医療福祉学分野では、次の3つの方向で研究に取り組みます。第一は、社会福祉政策の国際的動向の把握に努めます。第二は、医療と社会福祉、法制度と社会福祉、地域開発と社会福祉など近接領域と社会福祉の接点を強く意識し、学際研究を発展させます。第三は、研究に並行して相談援助技術の向上を目指します。医療福祉の研究は、修士課程においても、博士後期課程においても、社会福祉実践を足場にし、人に温かく、血の通ったものでなければなりません。大学院では、論文作成、学会発表などを通して科学研究の手法を学びますが、それだけでなく社会福祉の現場で視野の広い人材、よりよい援助者として役に立つような総合的教育を行います。

【「認定社会福祉士」研修認証科目の受講生募集】
鈴鹿医療科学大学大学院では、2014年2月に「認定社会福祉士認証・認定機構」から研修認証を受け、
4月から「認定社会福祉士」制度の研修認証科目を開講(隔年開講)しています。詳しくは以下の受講生募集要項をご確認ください。

「認定社会福祉士」研修認証科目の受講生募集

臨床心理学分野

こころの問題を抱えケアを必要としている人たちが増加し、専門的支援が求められています。それに応えるのが公認心理師・臨床心理士の資格を有した「こころの専門家」です。臨床心理学分野では、臨床心理の高度な専門的知識と実践力を身につけ、現場で役立つ「こころの専門家」の育成を行っています。
※本分野では、平日夕方・夜間および土曜日に授業を開講しており、働きながら学ぶことが可能です。

(1) 個を大切にする:ひとり一人のクライエントに寄り添い、向きあい、深く理解をしていけるように、「こころを聴く力」を身につけていきます。クライエントがこころ豊かに成長し、主体的に健康的に生きていけるような支援を目指し、アセスメントとカウンセリング(心理療法)のスキルを磨いていきます。臨床心理学は「実践の学」と言われますが、本学では事例研究を重視し、修士論文は自らが担当した事例を元に事例研究を行います。個々の事例から学ぶものは多く、他の事例にも活かすことができ、さらに現代に生きる私たちのこころの本質を理解することにつながります。

(2) 実践力を養う:「こころの専門家」として心理臨床の仕事に就き、実践できる力を身につけていきます。大学院生は、本学附属こころの相談センターにおいて、来談されたクライエントの面接やプレイセラピーを実際に担当しカウンセリング(心理療法)を行います。また、附属こころのクリニックや桜の森病院(緩和ケア)の他、精神科病院や総合病院などの医療領域、適応指導教室や学校などの教育領域、養護施設や児童センターなどの福祉領域、少年鑑別所などの司法領域等、様々な外部機関において実習を行い、アセスメントや多職種連携等の臨床経験を積んでいきます。

(3) 教員と共に学びあう:臨床心理学分野の教員全員が、公認心理師・臨床心理士あるいは精神科専門医の資格をもち、教員自身も大学附属施設(こころの相談センター、クリニック、桜の森病院)等にて心理的支援を行っています。実践経験豊富な教員によるスーパーヴィジョンを受け、ケースカンファレンスではひとつの事例を取り上げ丁寧に見ていき、教員と大学院生が活発なディスカッションをしながら理解を深め事例対応に活かしていきます。このように本学では教員と大学院生が共に学び、「こころの専門家」として成長することを目指します。

鍼灸学分野

鍼灸学について臨床的知識と技術を深め、鍼灸に関する研究能力を養います。 鍼灸学分野では3つの専攻分野(鍼灸臨床技術学実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、鍼灸技術学特論、実験鍼灸学)があります。鍼灸臨床技術学実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲでは、臨床実習施設においてWHOの定めた鍼灸適応症に対する科学的根拠に基づいた鍼灸治療術、難病の古典的な治療方法及び健康維持法などを習得します。鍼灸技術学特論では、クリーンニードルの開発、鍼レオメータの開発などの学習を通じて鍼灸術の客観化について研究します。実験鍼灸学は、動物実験により鍼灸学の基礎研究アプローチについて修得する課程です。このような教育を通して、鍼灸治療効果の機序の解明、効果の客観的評価法の確立、臨床研究アプローチなどについて研究指導を行います。
(大学院修了者の教員資格について)
修了後は、はり師及びきゆう師養成機関において、大学院における研究内容に応じた専門基礎分野・専門分野の授業科目の教育を行う資格を有します。

臨床工学分野

講義履修を通じて臨床工学分野の専門的知識および医療科学の諸領域における幅広い知識を修得します。研究指導教員の丁寧な指導の下、研究テーマの設定、研究方法の検討、実験、臨床データの取得などを行い、研究を進めていきます。臨床工学科の所有する豊富な実習用機器を利用することもできます。輪講での発表と討論、関連する学会・研究会での発表を通じて、プレゼンテーションスキルの向上を図り、研究内容を充実させていきます。本分野では臨床工学・医用工学を専門とする教員のみならず医療科学諸分野の教員と自由なディスカッションができます。これは工学と医学の境界領域の職種である臨床工学技士にとって大きなメリットといえます。本分野では、臨床工学系の学科を卒業する学生の方をはじめ、広く臨床工学・医用工学に興味を持つ方々を歓迎します。専門学校を卒業して現役の臨床工学技士として活躍している方のキャリアアップの道としても最適です。修了後は、指導的立場の臨床工学技士、研究者、教員などのキャリアを目指します。

医療情報実践学分野


医療情報システム並びに医療情報処理に関して高度な知識を有し、研究開発や分析の能力を養い、総合的な視野を持ち医療分野で直面する様々な問題を解決していくことができる人材を育成します。修士課程1年次において、医療統計や医療情報解析並びに情報処理技術など医療情報を取り扱うために必要となる基礎を学び、与えられた研究テーマに関する文献を読むことで研究テーマに関する理解を深め、研究の方法について学びます。理解が深まった中から自分の研究テーマを見つけ、それが修士論文の核となります。そしてその内容について研究を深め、2年次には研究成果を学会で発表することになりますが、その過程で論文の書き方やプレゼンテーション能力を磨きます。これらは、研究指導教員の丁寧な指導の下で進められます。博士後期課程においては、学生の希望を中心により実践的な研究テーマを取り上げ研究指導と論文執筆を指導し、その分野の第一線で活躍できる人材育成を目指します。

看護学分野


2019年4月より、修士課程に「看護学分野」を開設しました。看護学分野では、高度な看護実践者や臨床教育者を育成します。科学的根拠に基づき探索・研究・応用する能力を修得するために「看護研究方法論」では、質的研究法、量的研究法やミックスメソッドについて学習します。
さらに、「看護理論」「ヘルスアセスメント特論」「リーダーシップ特論」の中から高度な看護実践者や臨床教育者の育成を支援するための基盤となる科目を学習し、科学的根拠に基づく実践・教育力、ヘルスアセスメント力、リーダーシップ力を修得します。そして、「看護実践教育学特論」では、看護専門職の継続教育の考え方と方法について理論的根拠に基づいて学習し、医療機関、教育機関において教育的役割を担うために必要な能力を修得します。「看護実践支援特論」では、各看護学の構造と特徴について理解を深め看護現象を分析し、自身の関連分野の臨床問題を帰納的に明らかにします。「看護実践支援演習」では、臨床問題の解決に向けた効果的な支援に活用できる理論を学び、自身の専門分野における支援計画の立案を行います。「看護実践支援実習」においては、高度な看護実践者や臨床教育者として、理論をベースにした課題の分析と支援計画を立案し、実施、評価を行います。これらの学びを通して、自らの研究課題を明らかにし研究に取り組みます。

医療画像学分野(東京サテライト)

医療画像応用の分野はMRI、CT&核医学、超音波等各種モダリティが急速な進歩を続けています。高度X線画像システムの技術的発展動向から、医用機器の法・規格の国際的動向にも関心を払い、真に診療に役立つ次代の医療システムを洞察します。特に脳・心血管等循環器系の疾病診断領域は機器ハード及びソフト面の多様な変貌を見て、その全容を理解するには、学際的アプローチが必要とされています。医療画像学分野では広い知識と柔軟な思考の涵養を図るべく多彩なカリキュラムを用意しています。

放射線治療学分野(東京サテライト)

国の「対がん10か年計画総合戦略(’84)」策定から30年以上を経て、放射線治療学分野ではIMRT(強度変調放射線治療)、IGRT(画像誘導放射線治療)等の高精度光子線治療から陽子線・重粒子線による“粒子線治療時代”へと大きな進展をみせています。これら高エネルギー放射線治療施設の発展により、誰でも治癒効果の高い、QOL(治療後の生活の質)も高いがん治療を受けられる時代となりました。この背景にはMRI、CT & PETなど所謂ハイテク画像診断機器の技術進歩が大きく寄与しています。従って、この分野での医療従事者には、関連機器の技術的概要把握、腫瘍学分野の基礎知識から、リスク管理意識も高いチーム医療の実践スキル、更には医療情報管理面など広い知識・経験が必要とされます。この高度がん治療時代に適応できる医療人の育成に、ふさわしいカリキュラムを提供しています。また、「医学物理士」認定試験の受験支援を目的とした演習も行っています。

医療情報実践学分野(名古屋サテライト)(募集停止)

医療情報実践学分野では、次の3つの方向で教育研究に取り組みます。第一に、保健医療福祉分野の情勢を読み、進むべき方向を見定める。第二に、保健医療福祉の質の向上、効率化の推進、臨床研究などへの応用を推進するために必要となるシステムとデータベースについての理解を深める。第三に、データ処理並びに統計に関する基礎と応用、分析結果の可視化技術を学び、発展させる。教育はそれぞれの分野の第一線で働く講師陣が担います。様々なテーマを取り上げ、講師の指導の下で討論と発表を通じて複数の案の中から全体最適な解を選ぶ経験を積みます。これを通じて自身の能力の研鑽をすると同時に協働する中でその役割を理解し、組織を纏めていく力なども養います。研究は保健医療福祉分野で発生する様々な課題を取り上げ、適切な指導教員のもとで行います。